ガムシとゲンゴロウの違いを徹底解剖!見分け方のポイントと初心者に最適なのはどっち?
夏の水辺を代表する昆虫といえば、黒く光るボディが特徴的な水生昆虫たちです。その中でも「ゲンゴロウ」と「ガムシ」は見た目が非常によく似ており、専門知識がないと判別が難しいと言われています。
しかし、この二者は「泳ぎ方」「食事」「呼吸」のすべてにおいて正反対ともいえる特徴を持っています。この記事では、ガムシとゲンゴロウの決定的な違いを徹底的に解剖。さらに、これから飼育を始めたい方に向けて、どちらが育てやすいのか、その適性についても詳しく解説します。
1. 外見で見分ける!ガムシとゲンゴロウの識別ポイント
パッと見ただけでは同じに見える両者ですが、体の構造には明確な差があります。
腹側の「針」の有無(ガムシの名前の由来)
最も確実な見分け方は、体をひっくり返して「お腹」を見ることです。
ガムシ: 胸から腹部にかけて、鋭いトゲのような突起が一本通っています。これが「牙」のように見えることが名前の由来(牙虫)です。
ゲンゴロウ: お腹側は滑らかで、ガムシのような鋭い突起はありません。
体のフォルムと光沢
ガムシ: ゲンゴロウに比べてやや厚みがあり、丸みを帯びたシルエットをしています。光沢は強く、漆塗りのような黒さが特徴です。
ゲンゴロウ: 流線型で平らな体が特徴。種類にもよりますが、縁取りに黄色いラインが入っているものが多く、水中での抵抗を減らす理想的な形をしています。
2. 生態で見分ける!真逆の「泳ぎ方」と「呼吸法」
水中での動きを観察すれば、一目でどちらか判断できます。
泳ぎ方:平泳ぎ vs 犬かき
ゲンゴロウ(平泳ぎ): 左右の後ろ足を「同時に」動かしてスイスイと直進します。非常に泳ぎが得意で、スピードがあります。
ガムシ(犬かき): 左右の足を「交互に」動かして、一生懸命もがくように泳ぎます。ゲンゴロウに比べると泳ぎはゆっくりで、どこかコミカルな印象を与えます。
呼吸法:お尻からか、頭からか
ゲンゴロウ: お尻の先を水面に出して、翅(はね)の下に空気を取り込みます。
ガムシ: 頭を少し水面に出し、触角を使って空気を取り込みます。取り込んだ空気は腹側の細かい毛に保持され、水中で銀色に輝いて見えるのが特徴です。
3. 食性の違い:ハンターか、お掃除屋か
飼育する上で最も重要なのが「何を食べるか」という点です。
ゲンゴロウは「猛烈なハンター」
幼虫・成虫ともに肉食性が非常に強いです。生きている小魚や他の昆虫を捕食します。飼育下では煮干しや生肉、刺身などを好んで食べますが、水槽内に他の生き物がいると襲ってしまうため、混泳には注意が必要です。
ガムシは「水辺のお掃除屋さん」
成虫は草食性が強く、水草や藻、枯れ葉などを好んで食べます。死んだ魚の残骸などを食べることもありますが、自分から生きた魚を襲うことはほとんどありません。温和な性格で、水槽のコケ取り役としても優秀です。
4. 初心者が飼いやすいのはどっち?
これから水生昆虫の飼育にチャレンジするなら、結論から言えば「ガムシ」がおすすめです。
ガムシが初心者向きな理由
エサの確保が楽: 水草を入れておけば餓死する心配が少なく、市販のザリガニのエサなどもよく食べます。
多頭飼育がしやすい: 性格が温和なため、同じ水槽で複数匹を飼っても共食いのリスクが低いです。
水質の維持: 激しい捕食活動を行わないため、水が汚れにくい傾向にあります。
ゲンゴロウ飼育のハードル
大型のゲンゴロウは絶滅危惧種に指定されている地域も多く、入手自体が難しい場合があります。また、生エサをメインとするため水が汚れやすく、こまめな換水や強力なフィルターが必要になるなど、中級者向けの要素が強いです。
5. まとめ:ガムシとゲンゴロウの見分け方チャート
最後に、判別のためのチェックポイントをまとめました。
お腹にトゲがある? → YESならガムシ
足を交互に動かして泳ぐ? → YESならガムシ
頭から息を吸う? → YESならガムシ
水草を食べている? → YESならガムシ
どちらも日本の豊かな水辺を象徴する魅力的な昆虫です。ガムシのユーモラスな泳ぎを楽しむか、ゲンゴロウの力強いハンティングを観察するか。それぞれの違いを理解した上で、素敵な水生昆虫ライフを始めてみてください。
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