香港のマンション間取り徹底解剖!超効率・超高密度な住まいを実現する知恵と特徴


世界屈指の人口密度と不動産価格を誇る香港。その住宅事情を象徴するのが、限られたスペースを極限まで活用した「香港ならではの間取り」です。

「香港の家は狭い」と聞いたことはあっても、具体的にどんな工夫がされているのか、日本の住宅とどう違うのか気になりますよね。この記事では、香港のマンション間取りの驚きの特徴から、狭小空間を快適にする知恵、そして知っておきたい面積の考え方まで詳しく解説します。


香港のマンション間取りに見られる3つの大きな特徴

香港のマンション(フラット)は、日本の1Kや2LDKといった概念とは少し異なる独特の進化を遂げています。

1. 究極の「ナノ・フラット(極狭物件)」の存在

近年、香港で増えているのが「ナノ・フラット」と呼ばれる超小型マンションです。面積は20平方メートル以下、中には11平方メートル(約7畳弱)ほどの中にキッチン、トイレ、シャワー、リビングがすべて詰め込まれた物件もあります。

  • 特徴:間仕切り壁を極力減らし、一つの空間が「寝室兼リビング兼ダイニング」として機能します。

2. 「ダイヤモンド型」リビング

古いマンションによく見られるのが、リビングが長方形ではなく「多角形(ダイヤモンド型)」になっている間取りです。これは、隣の建物との距離を保ちつつ、窓からの眺望や採光を最大限に確保するために設計された、香港特有の工夫です。家具の配置に工夫が必要ですが、香港らしい景観を楽しむための知恵と言えます。

3. 「住み込みメイドさん」用の専用ルーム

香港では共働き世帯が多く、フィリピンやインドネシアからのヘルパー(住み込みメイド)を雇うのが一般的です。そのため、中級以上のファミリー向け物件には、キッチン横などに1畳〜2畳ほどの非常にコンパクトな「ヘルパールーム(専用寝室)」と専用トイレが最初から組み込まれた間取りが多く存在します。


日本とここが違う!香港の面積表記と構造

香港で家を探す際、日本人が最も戸惑うのが面積の数え方です。

  • 実用面積(Saleable Area) vs 建築面積(Gross Floor Area)

    以前は共用部(エレベーターホールやロビー)を含めた「建築面積」で表記されることが一般的でしたが、現在は実際に使える「実用面積」での表記が義務付けられています。それでも、壁が非常に厚いため、数字よりも狭く感じることが多いのが実情です。

  • 「窓台(出窓)」の活用

    香港のマンションは窓の枠(窓台)が非常に広く取られていることが多いです。このスペースにクッションを置いてソファ代わりにしたり、机として活用したりするのが香港流の住まい方です。


狭さを克服する!香港流「空間マジック」の工夫

限られた面積で快適に暮らすため、香港の住まいには数々の工夫が凝らされています。

  • 高い天井を活用したロフト化

    床面積が狭い分、天井高を3メートル近く確保している物件が多くあります。ベッドを高い位置に設置し、その下をクローゼットや書斎にする「縦の空間利用」が定番です。

  • トランスフォーマー家具

    壁からベッドが出てくる「壁付けベッド」や、広げるとダイニングテーブルになる収納棚など、多機能家具が非常に発達しています。

  • 「外食文化」を前提としたキッチン

    自炊よりも外食やテイクアウトが主流の文化であるため、単身・カップル向け物件のキッチンは非常にコンパクト。コンロが1口しかない「オープンキッチン」スタイルが一般的です。


香港の住宅価格と間取りの相場感

香港の不動産は世界一高いと言っても過言ではありません。

物件タイプおよその面積(実用)居住人数の目安特徴
スタジオ(Studio)15〜25㎡1人日本のワンルームに近い。バスタブなしが多い。
1ベッドルーム25〜40㎡1〜2人寝室が独立。都心部ではこれでも高額。
2ベッドルーム40〜60㎡2〜3人香港で最も一般的なファミリー向け。
3ベッドルーム〜60㎡以上3人以上+メイド高級物件や郊外に多い。ヘルパールーム付。

まとめ:香港の間取りは「効率と機能」の結晶

香港のマンション間取りを知ることは、限られた土地でいかに豊かに暮らすかという知恵を知ることでもあります。一見「狭すぎる」と感じる空間も、一歩足を踏み入れれば、眺望を活かす窓の配置や、無駄を削ぎ落とした動線設計など、都市生活に最適化された機能美が詰まっています。

これから香港に住む予定の方や、海外の不動産に興味がある方は、ぜひ「実用面積」だけでなく「天井の高さ」や「窓台の広さ」にも注目して間取り図を眺めてみてくださいね。