スケートボードの登竜門!オーリーとキックフリップを徹底解説
ストリートスポーツの王道、スケートボードの世界へようこそ!
スケートボードのトリック(技)は数えきれないほどありますが、その全ての基礎となり、スケーターの**「登竜門」と呼ばれる技が「オーリー(Ollie)」です。そして、オーリーをマスターした次に多くの人が目指すのが、板を回転させる「キックフリップ(Kickflip)」**でしょう。
ここでは、これらの基本技の仕組みや具体的な練習のコツを、初心者の方でも分かりやすく、上達のヒントを交えて徹底解説します。
1. 全ての基本となる「オーリー(Ollie)」
オーリーは、スケートボードに乗ったまま、板と一緒に空中にジャンプする基本中の基本のトリックです。この技の習得なくして、その後のトリックはほぼ成り立ちません。
(1) オーリーの仕組みと流れ
オーリーは、ただジャンプするだけでなく、テコの原理と前足の摩擦力を使って板を浮かせる複合的な動作です。
しゃがむ(タメを作る): 膝を曲げて沈み込み、真上に飛び上がるための力を溜めます。
テールを弾く(ポップ): 飛び上がると同時に、後ろ足のつま先(親指の付け根)でテール(板の後ろ)を真下に向けて強く叩き、弾きます。この「パチン」という音が重要です。
前足で擦り上げる(スライド): テールを弾いてノーズ(板の前)が浮き上がったら、前足の側面(小指側)を使って、デッキのノーズ側へ一気に擦り上げます。
板を水平にする: 擦り上げた前足でノーズを押し込み、テコの原理でテールを引き上げ、板を空中で地面とほぼ平行にします。
着地: 膝のクッションを使って、四輪同時に柔らかく着地します。
(2) オーリー成功のための最重要のコツ
重心は常にデッキの真上: トリックの最初から最後まで、頭の位置が板の真上からブレないように意識しましょう。体が前後に傾くと、板が足から離れてしまいます。
「真上」へのジャンプを意識: 板を浮かせようとするあまり、前に飛びがちです。あくまで真上にジャンプし、テールを弾く動作はジャンプの頂点に持っていくイメージでタイミングを合わせます。
前足は「擦り上げ」よりも「引き上げ」: 最初は「板を擦る」というより、**「前足を身体に引きつけ、その際に板も一緒に連れてくる」**という意識の方が成功しやすいです。高さを出すには、いかに足を身体に引きつけられるかが鍵になります。
2. 華麗なる回転技「キックフリップ(Kickflip)」
キックフリップは、オーリーの動作中にデッキを進行方向に対して縦に一回転させる、非常に人気のあるフリップトリックの代表格です。
(1) キックフリップの仕組みと流れ
キックフリップは、オーリーの**「擦り上げ」の動作を「蹴り抜き」に変える**ことで板に回転を加えます。
スタンス: 後ろ足はオーリーと同じくテールに置き、前足は前のビス(ネジ)の少し後ろに、斜め(かかと側)に角度をつけて置きます。この角度が回転を生む鍵です。
テールを弾く(ポップ): オーリーと同じように、真上に飛び上がりながらテールを強く弾きます。
前足で蹴り抜く(フリック): 板が浮き上がったら、前足のつま先、特に小指の付け根あたりを使って、ノーズ(板の先端)の斜め外側(進行方向前方の角)へスパッと蹴り抜きます。
空中でキャッチ: 板が一回転し、ウィール(タイヤ)が上を向いた瞬間を狙って、両足(特に後ろ足)で板をキャッチし、回転を止めます。
着地: 膝を柔らかく使って、板のビスの上あたりに両足を乗せて着地します。
(2) キックフリップ成功のための最重要のコツ
テールは真下に弾く: 回転させることに気を取られず、テールはオーリーと同じようにしっかり真下に弾くことが、安定した高さと回転を生みます。
蹴り抜く方向とスピード: 蹴り抜く位置は、ノーズの真横ではなく、斜め前方向の角を意識します。そして、足首のスナップを効かせて、素早く、鋭く蹴り抜くことが重要です。
「待つ」意識を持つ: 蹴り抜いた後、すぐに板に乗ろうとせず、板が回転して戻ってくるのを空中で待つイメージを持つと、両足でキャッチしやすくなります。最初は片足(後ろ足)でキャッチする練習から始めましょう。
体を開かない: キックフリップは体が開いて(肩が進行方向を向いて)しまいがちですが、体が開くと板が変な方向に飛んでいってしまうため、肩を板と平行に保つように意識します。
3. 上達への道:練習のポイント
オーリーもキックフリップも、すぐにできるトリックではありません。しかし、正しい手順で諦めずに続けることが、習得への最短ルートです。
(1) オーリー習得までのステップ
ステップ | 練習内容 | 目的 |
基礎 | プッシュ、チックタック | 板に乗るバランス感覚、操作に慣れる |
ステップ1 | 止まったままテールを弾く | テールを「パチン」と鳴らす感覚を掴む |
ステップ2 | 柵などにつかまってオーリー | 恐怖心を減らし、足の動作に集中する |
ステップ3 | 超低速でのオーリー | 動きながら板を浮かせ、軸を保つ練習 |
(2) キックフリップ習得のポイント
キックフリップは、オーリーが安定してできるようになってから挑戦するのが鉄則です。
回転の感覚を覚える: 最初は板に乗ろうとせず、止まった状態で板を一回転させる練習を繰り返しましょう。前足の**「蹴り抜き」**の感覚を徹底的に体に染み込ませます。
片足キャッチ: 次に、回転した板を後ろ足だけでキャッチして着地する練習を行います。これができれば、両足キャッチはもうすぐそこです。
怖がらずに「真下」へ: 両足で乗りにいく時、恐怖心から体が逃げ腰になりがちです。板の真下に戻り、**「必ず乗る!」**という強い意識で飛び込みましょう。
これらの基本技をマスターすれば、スケートボードの世界は一気に広がります。焦らず、楽しみながら、反復練習あるのみです!