迷わない!お花料の封筒選びから表書き・内袋の書き方まで完全ガイド
「急にお花料を用意することになったけど、どんな封筒を選べばいいの?」
「表書きって何て書けばいいんだろう…?」
お葬式や法事など、故人を偲ぶ場で「お花料」を渡す機会は、突然訪れるものです。いざ準備しようとすると、どんな封筒を選べばいいのか、表書きや内袋はどう書けばいいのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。不慣れな場面だからこそ、「失礼があってはいけない」と不安になりますよね。
この記事では、お花料の封筒選びの基本から、表書きの正しい書き方、そしてお金の入れ方や渡し方まで、あなたが迷わずスマートに準備できるよう、具体的なポイントを分かりやすく解説します。故人への最後の敬意と、ご遺族への心遣いを形にするために、ぜひこの記事で正しい知識を身につけましょう。
そもそも「お花料」とは?香典との違い
「お花料」と「香典」、どちらも弔事の際に渡すお金ですが、実は意味合いが少し異なります。
香典(こうでん): お線香や香木を供える代わりに金銭を供える、という意味合いが強く、故人への供養の気持ちを表します。故人が亡くなった直後のお通夜や告別式で渡すのが一般的です。
お花料(おはなリョウ): 故人の霊前に供えるお花代として包む金銭を指します。香典と意味合いは似ていますが、宗教・宗派を問わずに使用でき、特に神式やキリスト教式、または無宗教の場合に選ばれることが多いです。また、四十九日法要などの法事や、お供え物を辞退された場合に代わりに渡すケースもあります。
迷った場合は、**「御香典」**を選んでおけば、ほとんどの宗派や場面で対応できますが、先方から「お花料」と指定されたり、無宗教形式の場合には「お花料」を選ぶのが適切です。
これで完璧!お花料の封筒選びのポイント
お花料を包む封筒は、慶事用のご祝儀袋とは全く異なる選び方になります。
1. 色は「白」一択!
お花料の封筒は、必ず白無地のものを選びましょう。柄が入ったものは不適切です。
2. 水引の選び方:結び方と色に注意!
水引は、お祝い事と弔事では結び方と色が異なります。
結び方:
結び切り(結びきり): 一度結ぶとほどけないことから、「二度と繰り返してほしくない」という意味が込められています。弔事全般で使用します。
あわじ結び: 結び切りと同様に、一度結ぶとほどけにくく、「固く結ばれて離れない」「末永く」という意味合いもありますが、弔事にも使用できます。
色:
黒白(くろしろ): 最も一般的で、どのような弔事にも使えます。
双銀(そうぎん): 銀色の水引のみで構成されており、香典が高額な場合や、より丁寧な気持ちを表したい場合に使用されます。
黄白(きしろ): 主に関西地方で使われることが多く、主に法事などで使用されます。
【NGな水引】
蝶結び(ちょうむすび): 何度でも結び直せることから、「何度でも繰り返したい」という意味があり、お祝い事に使われます。弔事には不適切です。
紅白(こうはく): お祝い事に使われるため、弔事には不適切です。
3. 蓮の絵柄の有無:宗派を確認!
封筒に蓮の花の絵柄が描かれているものを見かけることがあります。
蓮の絵柄あり: 主に仏式の葬儀や法事で使用します。蓮は仏教において極楽浄土を象徴する花とされているためです。
蓮の絵柄なし: 神式、キリスト教式、無宗教の場合や、宗派が不明な場合に選びましょう。
宗派が分からない場合は、蓮の絵柄がない白無地の封筒を選んでおくのが無難です。
失敗しない!表書き・中袋(内袋)の正しい書き方
封筒を選んだら、いよいよ書き方です。薄墨で書くのがマナーとされています。
1. 表書きの書き方
封筒の表側、水引の上段中央に書きます。
「お花料」: 神式、キリスト教式、無宗教の場合や、先方から指定があった場合。
「御香典」: 仏式の場合。
「御霊前(ごれいぜん)」: 故人の宗派が分からない場合や、通夜・葬儀など四十九日前まで。
「御仏前(ごぶつぜん)」: 四十九日以降の法要で、故人が仏様になったという意味合いで使われます。
【注意点!】
薄墨の筆ペンやサインペンで書くのがマナーです。薄墨には「悲しみの涙で墨が薄くなった」という意味が込められています。
楷書で丁寧に書きましょう。
文字は水引にかからないように、中央にバランス良く書きます。
下段中央には、水引の下に、氏名をフルネームで書きます。
複数人で包む場合は、連名で書きます。(目上の人が右、以下順に左へ)
会社の代表として出す場合は、氏名の上に会社名を小さめに書きます。
2. 中袋(内袋)の書き方
中袋がある場合は、表と裏にそれぞれ書くべき項目があります。
中袋の表面(金額):
金額は、旧字体(大字)の漢数字で縦書きします。
「金○○圓」または「金○○円也」と書きます。
例:5,000円 → 金伍仟圓
例:10,000円 → 金壱萬圓
例:30,000円 → 金参萬圓
数字の前に「金」、後に「圓」または「円也」を忘れずに。
中袋の裏面(住所・氏名):
左下(または中央)に、郵便番号、住所、氏名を縦書きします。
ここも薄墨で書きます。
ご遺族がお礼状を出す際に必要となる情報なので、正確に丁寧に書きましょう。
【中袋がない場合】
直接封筒の裏面に、金額と住所氏名を縦書きで記入します。金額は中袋と同様に旧字体で。
お金の入れ方と渡し方のマナー
封筒の準備ができたら、いよいよお金を入れ、渡す段階です。
1. お札の向きと入れ方
お札の向き: 人物の顔が**裏面(下向き)**になるように入れます。これは、「顔を伏せて悲しむ」という意味合いが込められています。
新札は避ける: 新札は「不幸を予期していた」という印象を与えてしまうため、基本的には避けましょう。使用感のある(しわのないきれいな)お札を用意するのがマナーです。どうしても新札しかない場合は、一度折り目を付けてから包むようにします。
枚数: 偶数は「割り切れる」として弔事では避けるのが一般的ですが、近年はそこまで気にされない傾向もあります。ただし、**4(死)や9(苦)**など、縁起が悪いとされる数字の枚数は絶対に避けましょう。
2. 袱紗(ふくさ)に包んで持参する
お花料の封筒は、むき出しのまま持っていくのではなく、必ず**袱紗(ふくさ)**に包んで持参しましょう。袱紗は、お香典袋を水濡れや汚れから守り、相手への敬意を示すためのものです。
袱紗の色は、紫、紺、緑、グレーなどの寒色系を選びます。慶弔どちらにも使える紫色が無難です。
渡し方は、袱紗から取り出して相手に表書きが読める向きにして渡します。
3. 渡すタイミングと場所
受付がある場合は、受付で芳名帳に記帳してから渡します。
受付がない場合は、ご遺族にお悔やみの言葉を述べた後、手渡しします。
まとめ:心遣いが伝わるお花料の準備を
お花料の準備は、故人への最後の感謝と、ご遺族への深い配慮を表す大切な行為です。
白色の封筒と結び切りの水引を選ぶ。
蓮の絵柄は宗派によって使い分けるか、無地を選ぶ。
薄墨で丁寧な表書きと中袋の記入を。
お札の向きや新札を避けるなど、細やかな配慮を忘れずに。
袱紗に包んで持参し、スマートに渡す。
これらのマナーを知り、心を込めて準備することで、あなたの弔意がきっとご遺族に伝わるでしょう。不慣れな場面でも、自信を持って行動できる一助となれば幸いです。