納骨式で準備するお供え物:喪主側と参列者側の違いとマナー


納骨式は、故人様を納骨堂やお墓に納める大切な儀式です。この際、故人様への感謝の気持ちや供養の心を込めてお供え物を用意するのが一般的ですが、「喪主側は何を準備すればいいの?」「参列者は何を持っていけばいい?」と悩む方もいるかもしれません。

納骨式のお供え物は、喪主側(施主側)と参列者側で準備するものが異なります。また、宗教や地域の慣習によっても適したお供え物は変わってきます。

この記事では、納骨式で準備するお供え物について、喪主側と参列者側のそれぞれの違いや、選ぶ際のマナー、そして基本的な流れを詳しく解説します。大切な納骨式を滞りなく進めるために、ぜひ参考にしてください。


1. 納骨式のお供え物:基本のマナー

納骨式のお供え物は、故人様への供養の気持ちを表すものです。基本的なマナーを押さえて準備しましょう。

1-1. 宗教・宗派に配慮する

納骨式は、仏式、神式、キリスト教式など、様々な宗教・宗派で行われます。お供え物は、それぞれの宗教・宗派の考え方に配慮して選びましょう。

  • 仏式: 線香、ろうそく、お花、お菓子、果物などが一般的です。

  • 神式: お花、お酒(日本酒)、水、塩、果物、お菓子などが一般的です。

  • キリスト教式: 基本的にお供え物の習慣はありませんが、供花を贈る場合は、白い花を選ぶのが一般的です。

迷った場合は、事前に葬儀社や寺院、霊園、あるいは親族に確認するのが確実です。

1-2. のし紙の選び方と表書き

お供え物には、弔事用の**「のし紙」**をかけます。

  • 水引: 白黒または双銀の結び切りを選びます。

  • 表書き:

    • 仏式: 「御供」「御仏前」「御霊前」(四十九日以前)

    • 神式: 「御玉串料」「御榊料」「奉献」「奉納」

    • キリスト教式: 「御花料」「献花料」

  • 名入れ: 喪主側は氏名または家名、参列者側は氏名を記載します。


2. 喪主側(施主側)が準備するお供え物

納骨式を執り行う喪主側は、式に必要なものや、参列者へのおもてなしの準備も行います。

2-1. 納骨式で用意するもの(必須・一般的に)

これらは基本的に喪主側が準備するものです。

  • お花(供花): 祭壇や墓前に飾るお花です。白を基調とした、故人様が好きだった花や季節の花を取り入れることもあります。菊、ユリ、カーネーションなどが一般的です。

  • お供え物(食べ物・飲み物): 故人様が好きだったものや、日持ちのするものが選ばれます。

    • 果物: 盛り合わせ(丸い果物が良いとされる)

    • お菓子: 個包装で日持ちのするせんべい、クッキー、饅頭など

    • 飲み物: お酒(日本酒)、ジュース、お茶など

  • お線香・ろうそく: 仏式の場合に必要です。

  • 焼香台・香炉・仏具一式(仏式の場合): 納骨堂やお墓にない場合は準備が必要です。

  • お供え用の台: 墓前などにお供え物を置くための台が必要な場合があります。

  • 供養品の準備: 故人様の遺骨を納める骨壷や、場合によっては位牌、遺影写真なども準備します。

2-2. その他の準備

  • お布施・お車代: 僧侶や神職へのお礼です。

  • 会食の手配: 納骨式後に会食を行う場合は、場所や料理の手配を行います。

  • 引き出物: 参列者へのお礼の品です。


3. 参列者側が準備するお供え物

納骨式に参列する側は、故人様への供養の気持ちを込めてお供え物を持参します。

3-1. 一般的なお供え物

参列者が持参するお供え物は、喪主側の負担にならないよう、日持ちがして持ち帰りやすいものが選ばれることが多いです。

  • お花(供花): 故人様が好きだった花や、白や淡い色合いのアレンジメントが一般的です。ただし、事前に喪主側に確認し、すでに用意されている場合や、スペースの都合上不要とされる場合もあるので注意しましょう。

  • お菓子: 個包装で日持ちのする焼き菓子、せんべい、羊羹などが喜ばれます。複数人で分け合えるものが良いでしょう。

  • 果物: 傷みにくいリンゴやミカン、メロンなどの丸い果物の詰め合わせが一般的です。

  • 飲み物: お酒(日本酒)、ジュース、缶コーヒーなど、故人様が好きだったものや、皆で分けられるものが選ばれます。

  • 線香・ろうそく: 仏式の場合、参列者各自が持参する線香やろうそくも、故人様への供養の気持ちを表します。

  • 現金(お供物料・御仏前など):

    • お供え物の代わりに、現金を持参することも非常に多いです。金額の目安は、故人様との関係性によって異なりますが、一般的に5千円〜1万円程度が目安とされます。

    • のし袋に入れ、表書きは「御供」「御仏前」(四十九日以降)「御霊前」(四十九日以前)などとします。

3-2. 避けるべきお供え物

  • 生もの(傷みやすいもの): 鮮魚、生肉などは避けましょう。

  • 香りの強いもの: 線香の香りを妨げないよう、香りの強い花や食品は避けるのが無難です。

  • バラなど棘のある花: 棘のある花は、弔事には不向きとされています。

  • 派手すぎるもの: お祝い事を連想させる派手な色合いや包装のものは避け、地味で落ち着いた色合いを選びましょう。


4. 納骨式当日の流れと心得

お供え物の準備と合わせて、当日の流れも把握しておきましょう。

4-1. 納骨式の一般的な流れ

  1. 集合・受付: 霊園や寺院に集合し、受付を済ませます。

  2. 開式・読経など: 僧侶や神職による読経や祝詞奏上などが行われます。

  3. 納骨: 遺骨を墓石の下のカロート(納骨室)に納めます。

  4. 焼香・玉串奉奠など: 参列者が順番に焼香(仏式)や玉串奉奠(神式)を行います。

  5. 閉式: 僧侶や神職から挨拶があり、終了となります。

  6. 会食(希望者のみ): 納骨式後に会食を行う場合は、会場へ移動します。

4-2. 参列者の心得

  • 服装: 納骨式は法要の一部なので、基本的には喪服(準喪服)を着用します。

  • 香典(お供物料): お供え物を持参する場合でも、別途香典(お供物料)を用意するのが一般的です。

  • 故人様への想いを込めて: 何よりも、故人様を偲び、供養する気持ちを大切にしましょう。


まとめ:故人様への感謝を込めて、心を込めたお供え物を

納骨式は、故人様が安らかに眠る場所へお納めする大切な節目です。喪主側も参列者側も、それぞれの立場で準備するお供え物には違いがありますが、故人様への感謝の気持ちや、これまでのご縁に報いる供養の心が込められています。

この記事でご紹介した内容を参考に、宗教・宗派のマナーに配慮しながら、心を込めたお供え物を選び、故人様への最後の務めを丁寧に行いましょう。

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