家族葬における受付係の役割と必要性、そして挨拶や仕事内容について
家族葬を選ぶ方が増えている近年、「家族葬に受付係は必要なの？」「もし頼まれたら、何をすればいいの？」と疑問に思う方もいるかもしれません。家族葬は、一般葬に比べて規模が小さく、参列者も限定されるため、受付の役割も少し異なります。
この記事では、家族葬における受付係の必要性から、具体的な仕事内容、挨拶のポイントまで、詳しく解説します。もしもの時に役立つ情報として、ぜひ参考にしてください。
家族葬に受付係は必要？その役割と必要性
結論から言うと、家族葬において受付係は必須ではありませんが、いると助かる場面が多い役割です。
家族葬における受付係の主な役割
家族葬は、ご遺族が故人とゆっくりお別れをする時間を大切にする形式です。そのため、一般葬のような大規模な受付は不要な場合が多いですが、それでも受付係がいることで、以下のような役割を果たすことができます。
弔問客への対応: 家族葬とはいえ、訃報を聞きつけて弔問に訪れる親族やごく親しい知人もいます。その方々をスムーズに案内し、お香典や供花・供物の受け渡しを行うのは、ご遺族にとって大きな負担となります。
記帳の案内: 誰が弔問に訪れたかを記録する記帳は、後日のお礼状作成や香典返しの際に非常に重要です。受付係がいれば、漏れなく記帳を促すことができます。
会場案内と誘導: 不慣れな参列者に対し、控室やトイレ、式場の場所などを案内し、スムーズな流れを作る役割です。
遺族の負担軽減: 何よりも、ご遺族が弔問客への対応に追われることなく、故人との最後の時間をゆっくりと過ごせるよう、サポートすることが最大の目的です。
受付係の必要性を判断するポイント
参列者の人数: 数人程度の本当にごく身内だけの家族葬であれば、受付係は不要なことが多いでしょう。しかし、親戚やごく親しい友人も含めて20～30人程度の参列者が予想される場合は、受付係がいると非常にスムーズです。
ご遺族の意向: ご遺族が「自分たちだけで静かに送りたい」と強く希望する場合は、受付を設けない選択もあります。事前に意向を確認することが大切です。
葬儀社のサポート内容: 葬儀社によっては、受付業務の一部をサポートしてくれる場合もあります。契約内容を確認してみましょう。
家族葬の受付係の「仕事内容」と「持ち物」
もし受付係を頼まれた場合、どのようなことをするのでしょうか。
主な仕事内容
開場前の準備:
記帳台の設置、筆記用具の準備
香典盆、金庫（貴重品入れ）の設置
返礼品の準備と確認（香典返しや会葬御礼品）
会場案内図の確認（トイレ、喫煙所、控室など）
携帯電話の電源オフの確認
開場中（弔問客対応）:
挨拶: 弔問客への丁寧な挨拶（後述）
記帳の案内: 芳名帳への記帳を促す
お香典の受け渡し: 丁重にお預かりし、香典辞退の意向がある場合はその旨を伝える（後述）
返礼品のお渡し: 香典をいただいた方や記帳してくださった方へ、返礼品をお渡しする
会場案内: 控室や式場、お手洗いなどの場所を案内する
簡単な質問への対応: 「お焼香はいつですか？」「喫煙所は？」など、参列者からの質問に答える
閉場後の片付け:
記帳台の撤収、香典や記帳の記録を遺族または葬儀社へ引き渡す
残った返礼品の確認、片付け
あると便利な持ち物
筆記用具（予備も含む）: 受付の必需品です。
メモ帳: 急な連絡事項などをメモできます。
ハンカチ・ティッシュ: 弔問客やご自身のために。
エプロン（貸与される場合も）: 服装を汚さないため。
座布団など: 長時間座る場合に。
携帯電話: 緊急連絡用（ただし、受付中はマナーモードにするか、電源を切る）。
家族葬の受付での「挨拶」のポイント
家族葬の受付では、参列者への配慮が特に重要です。
基本の挨拶（お香典をいただく場合）
「この度は誠にご愁傷様でございます。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。」
ポイント: 故人との関係性によっては、参列者も悲しみの中にいます。落ち着いた声のトーンで、丁寧に迎え入れましょう。
お香典を辞退する場合の挨拶
家族葬では、ご遺族の意向でお香典を辞退するケースも増えています。その場合の対応は特に丁寧に行いましょう。
「恐れ入ります、故人の遺志により、お香典はご辞退申し上げております。お気持ちだけ頂戴いたします。誠に恐縮ではございますが、記帳のみお願いしてもよろしいでしょうか。」
ポイント:
「恐れ入ります」「誠に恐縮ですが」など、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
「お気持ちだけ頂戴いたします」と、相手の心遣いへの感謝を伝えましょう。
記帳はお願いする旨を明確に伝えます。
無理強いはせず、相手の気持ちを尊重する姿勢が大切です。
供花・供物をお断りする場合の挨拶
「恐れ入ります、故人の遺志により、ご供花・ご供物につきましても、ご辞退させて頂いております。お気持ちだけ頂戴いたします。ありがとうございます。」
ポイント: お香典辞退と同様に、感謝と丁寧な言葉遣いを心がけます。
受付係を頼まれたら、事前に確認すべきこと
受付係を依頼された場合は、引き受ける前に以下の点を必ず確認しましょう。
香典の受け取りの有無: 最も重要です。辞退する場合の対応も確認しておきましょう。
記帳の有無: 記帳方法（芳名帳かカードかなど）も確認します。
返礼品の有無と内容: 香典返しや会葬御礼品はいつ、どのように渡すのか。
服装: 一般的には、派手でない落ち着いた服装（喪服が基本）が望ましいですが、ご遺族の意向を確認しましょう。
集合時間と場所: 遅れないように早めに到着しましょう。
緊急連絡先: ご遺族や葬儀社の担当者の連絡先を控えておきましょう。
お手伝いの人数: 何人体制で行うのか確認し、連携を取りましょう。
まとめ
家族葬における受付係は、ご遺族の負担を軽減し、参列者をスムーズに迎え入れるための大切な役割です。必須ではないものの、参列者の人数によっては非常に役立ちます。
もし受付係を依頼されたら、香典の有無や記帳の要否など、事前にご遺族の意向をしっかり確認し、丁寧な挨拶と心のこもった対応を心がけましょう。準備と心構えがあれば、きっと安心してその役割を果たすことができるはずです。