葬儀後に送る会葬礼状(お礼状)の例文まとめ【場面別】
葬儀を終え、故人様を見送った後、お世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えるのが**会葬礼状(お礼状)**です。悲しみの中での準備は大変ですが、故人様への供養のためにも、そして何より参列してくださった方々への心からの感謝を伝える大切な機会となります。
ここでは、様々な場面に応じた会葬礼状の例文と、作成する上でのポイントをご紹介します。
会葬礼状の基本とマナー
会葬礼状は、一般的に葬儀の当日、または後日郵送で送るのがマナーです。
誰に送るか?:葬儀に参列してくださった方々、弔電をくださった方、供花・供物をいただいた方、お世話になった方々。
作成のタイミング:葬儀後、遅くとも1週間~1ヶ月以内には送りましょう。当日に渡せなかった場合は、できるだけ早く郵送します。
書式:句読点を使わないのが伝統的なマナーとされています。これは、「滞りなく、滞りなく」という意味合いや、句読点が文章の終わりを示すため、「不幸が途切れる」ことを避けるという考え方があるためです。手書きが難しい場合は、印刷でも問題ありません。
言葉遣い:謹んで、深謝、恐縮など、丁寧でかしこまった言葉を選びましょう。
時候の挨拶は不要:季節の挨拶は入れず、すぐに本題に入ります。
重ね言葉は避ける:「重ね重ね」「度々」など、不幸が重なることを連想させる言葉は避けましょう。
【例文集】場面別の会葬礼状
ここからは、様々な状況に応じた会葬礼状の例文をご紹介します。状況に合わせて適宜調整して使ってください。
1. 一般的な会葬礼状(当日渡し・後日郵送共通)
最もスタンダードな形式です。
謹啓
先般 故〇〇儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬賜り
ご鄭重なるご厚情を賜りまして誠に有難く
厚く御礼申し上げます
故人もさぞかし喜んでいることと存じます
つきましては
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう
お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇 〇〇
親族一同
2. 香典辞退・供花供物辞退の会葬礼状
家族葬などで、香典や供花・供物を辞退した場合の例文です。
謹啓
先般 故〇〇儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬賜り
誠に有難うございました
生前の故人の希望により
ご厚志を辞退させて頂きましたが
お心遣いに深く感謝申し上げます
故人もさぞかし喜んでいることと存じます
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう
お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇 〇〇
親族一同
3. 会社関係の方への会葬礼状
故人様がお勤めだった会社の上司や同僚の方へ送る場合の例文です。会社名や役職を記載します。
謹啓
先般 故〇〇儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬賜り
また御供花を賜りまして誠に有難く
厚く御礼申し上げます
故人が生前 〇〇株式会社〇〇部にて
大変お世話になりましたこと
心より感謝申し上げます
故人もさぞかし喜んでいることと存じます
つきましては
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう
お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇 〇〇
親族一同
4. 弔電をいただいた方への返礼状
弔電のみをいただいた方へのお礼状です。会葬礼状とは別に送る場合もあります。
謹啓
この度は 故〇〇儀 逝去に際しまして
ご丁寧な弔電を賜りまして
誠に有難く 厚く御礼申し上げます
〇〇様からの温かいお心遣いに
故人もさぞかし喜んでいることと存じます
生前の〇〇へのご厚情に深く感謝申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇 〇〇
親族一同
5. 四十九日法要後に出す返礼状(香典返しに添える場合)
四十九日法要を終え、香典返しを送る際に添える返礼状です。満中陰志(まんちゅういんし)として送る場合に使います。
謹啓
先般 故〇〇儀 葬儀に際しましては
ご多忙中にもかかわらずご会葬賜り
ご芳情を賜りまして誠に有難く
厚く御礼申し上げます
おかげさまで
〇月〇日に滞りなく
四十九日法要を執り行うことができました
つきましては
供養のしるしまでに心ばかりの品をお贈りいたしました
何卒ご受納くださいますようお願い申し上げます
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう
お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちまして
御礼のご挨拶とさせていただきます
謹白
令和〇年〇月〇日
喪主 〇〇 〇〇
親族一同
会葬礼状作成のポイント
手書きメッセージを添える: 時間があれば、印刷された礼状に一言でも手書きのメッセージを添えると、より気持ちが伝わります。「お寒い中、遠方よりお越しいただきありがとうございました」「〇〇様の温かいお言葉に救われました」など、具体的な感謝の言葉を添えましょう。
故人様の名前を間違えない: 故人様の氏名、喪主様の氏名に間違いがないか、複数人で確認しましょう。
季節の挨拶は不要: 悲しみの報告ですので、時候の挨拶は省くのが一般的です。
句読点は使わない: 伝統的な作法として、句読点を使わずに書くのが慣例です。
家族構成の記載: 喪主名の下に「親族一同」と記載することで、家族全員からの感謝の気持ちを伝えることができます。
戒名・法名は記載しない: 会葬礼状には、故人様の戒名や法名は記載しません。
まとめ:感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう
会葬礼状は、故人様への最後の供養であり、お世話になった方々への心からの感謝を伝える大切な機会です。悲しみが癒えない中での作業は大変ですが、心を込めて作成することで、きっとその気持ちは伝わるはずです。
例文を参考にしながら、あなたの感謝の気持ちを丁寧に表現してみてください。