【四十九日法要】そのまま使える挨拶例文集！施主・親族の場面別メッセージとマナー
大切な方を亡くされて四十九日。ご遺族にとっては、悲しみが癒えない中で、故人への最後の供養となる「四十九日法要」を執り行うことになります。初めてのことで、「どんな挨拶をしたらいいんだろう」「失礼のないようにしたいけれど、何を話せば…」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
四十九日法要は、故人様が極楽浄土へ行かれる大切な節目であり、ご親族や親しい方々が集まり、故人様を偲ぶ大切な時間です。この記事では、施主（喪主）やご親族の皆様が安心して法要に臨めるよう、四十九日法要の挨拶の基本マナーから、そのまま使える具体的な例文まで、場面ごとに分かりやすくご紹介します。
故人様への感謝の気持ちを伝え、参列してくださった方々へ丁寧にお礼を述べるためのヒントとして、ぜひご活用ください。
1. 四十九日法要とは？その意味と当日の流れ
四十九日法要は、故人様が亡くなられてから49日目に行われる、仏教において最も重要な法要の一つです。
1-1. 四十九日の意味合いと重要性
仏教では、故人様は亡くなってから49日間、この世とあの世の間をさまよい、閻魔大王による生前の行いの裁きを受けるとされています。そして、四十九日目に最終的な判決が下され、次の生（極楽浄土など）が決まると考えられています。
この49日間を「中陰（ちゅういん）」と呼び、遺族は故人様が良い世界へ行けるよう、七日ごと（初七日、二七日…）に法要を行い供養します。四十九日法要は、その最終日であり、故人様が「忌明け（きあけ）」を迎える大切な節目となります。この日をもって喪に服す期間が終わり、日常の生活に戻る準備を始める時期とされています。
1-2. 四十九日法要の一般的な流れ
一般的な四十九日法要は、以下のような流れで執り行われます。
開式の挨拶（施主）
読経・焼香
法話（僧侶によるお話）
納骨式（希望する場合。法要後に墓地へ移動して行うことが多い）
閉式の挨拶（施主）
会食（お斎（おとき））。会食前に施主の挨拶。会食後に施主の挨拶。
宗派や地域の習慣、ご家庭の意向によって多少異なる場合があります。事前に葬儀社や寺院と相談し、流れを確認しておきましょう。
2. 四十九日法要の挨拶の基本マナーと心構え
故人様への思いと、参列者への感謝の気持ちを伝えるために、挨拶の基本マナーを押さえておきましょう。
2-1. 挨拶をする際のポイント
簡潔に、心を込めて: 長々と話すよりも、故人様への感謝、参列者へのねぎらいの気持ちを込めて、簡潔にまとめましょう。
忌み言葉を避ける: 「重ね重ね」「度々」「追って」など、不幸が重なることを連想させる言葉や、「死ぬ」「亡くなる」などの直接的な表現は避けて、「ご逝去（ごせきょ）」、「永眠（えいみん）」、「旅立つ」などの言葉に置き換えましょう。
宗派に合わせた言葉を選ぶ: 仏教の法要の場合、「成仏（じょうぶつ）」という言葉を使いますが、浄土真宗では「往生（おうじょう）」を使うなど、宗派によって違いがある場合があります。不安な場合は寺院に確認しましょう。
感謝の気持ちを伝える: 参列してくださったこと、生前の故人様との関わりへの感謝を述べることが最も大切です。
事前に準備・練習する: 話す内容をメモにまとめておき、声に出して練習しておくと安心です。緊張して言葉に詰まることもありますが、ご自身の言葉で伝えることが何よりも大切です。
忌明けの報告: 法要の挨拶の中で、忌明けを迎えることを簡単に触れると良いでしょう。
2-2. 施主が挨拶する主なタイミング
施主（喪主）が挨拶をする主なタイミングは以下の3つです。
法要開始時: 参列者への感謝と、法要の開始を告げます。
閉式時（納骨後など）: 読経や納骨が終わった後、参列者への感謝と、会食の案内をします。
会食時（お斎の前後）:
会食開始時: 参列者へのお礼と、故人様を偲ぶ会食であることを伝えます。
会食終了時: 参列者への改めての感謝、故人様への思い出話への感謝、今後の変わらぬお付き合いのお願いを述べます。
3. 【場面別】四十九日法要 挨拶例文集（施主）
それでは、具体的な挨拶の例文を見ていきましょう。状況に合わせて適宜調整してご使用ください。
3-1. 法要開始時の挨拶例文
法要が始まる際、僧侶が入場された後などに行います。
例文1：シンプルに感謝を伝える場合
本日は、亡き父（母/〇〇）の四十九日法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます。
〇〇が旅立ってから四十九日を迎え、本日ここに、ご縁の深い皆様にお集まりいただき、供養を執り行うことができますこと、心より感謝申し上げます。
不慣れな点もございますが、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
例文2：故人様への思いを少し加える場合
本日はご多忙の中、亡き父（母/〇〇）の四十九日法要にご参列いただき、誠にありがとうございます。
〇〇がこの世を旅立ってから、早いもので四十九日が過ぎました。皆様に見守っていただき、〇〇もさぞ喜んでいることと存じます。
これより〇〇の供養を執り行わせていただきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
3-2. 法要終了時・納骨後の挨拶例文（会食への案内）
読経や納骨が終わった後、会食（お斎）へ案内する際の挨拶です。
例文1：会食への案内を簡潔に
おかげさまで、滞りなく四十九日法要を終えることができました。これもひとえに、皆様のお力添えの賜物と、心より感謝申し上げます。
ささやかではございますが、この後、別室にてお斎をご用意いたしましたので、〇〇の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。どうぞごゆっくりお過ごしください。
例文2：故人様への感謝と今後のことにも触れる場合
皆様のおかげをもちまして、無事に故〇〇の四十九日法要、並びに納骨を済ませることができました。厚く御礼申し上げます。
生前、〇〇は皆様に大変お世話になり、心温まるご厚情をいただきましたこと、家族一同、深く感謝しております。
これをもちまして、忌明けとさせていただきます。ささやかではございますが、〇〇を偲びながらお食事をご用意いたしましたので、どうぞお召し上がりください。
3-3. 会食（お斎）開始時の挨拶例文
会食が始まる前に行います。
例文1：会食の趣旨を伝える
本日は、長時間にわたり〇〇の四十九日法要にお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
心ばかりではございますが、お食事をご用意いたしましたので、故人〇〇の思い出話などお聞かせいただきながら、ごゆっくりお過ごしいただければ幸いです。
どうぞ献杯のご唱和をお願いいたします。（献杯の発声は、親族の代表者や故人様と親しかった友人などにお願いする場合もあります）
例文2：ねぎらいの言葉を添えて
皆様、本日は遠方よりお運びいただき、誠にありがとうございます。
〇〇も皆様にお集まりいただき、さぞ喜んでいることと存じます。
お時間の許す限り、ごゆっくりお過ごしいただき、〇〇を偲んでいただければ幸いです。どうぞお料理にお手をお付けください。
3-4. 会食（お斎）終了時の挨拶例文
会食がお開きになる際、締めの挨拶として行います。
例文1：感謝と今後のご挨拶
本日は長時間にわたり、〇〇の四十九日法要にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
皆様から温かいお言葉をいただき、改めて〇〇が多くの方々に支えられていたことを実感し、家族一同、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからも故人が大切にしていたご縁を大切にしてまいりたいと存じますので、今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。
例文2：簡潔に感謝を述べる
皆様、本日は誠にありがとうございました。
おかげさまで、四十九日法要も滞りなく終えることができ、故人も安らかに旅立つことができたことと存じます。
名残は尽きませんが、そろそろお開きとさせていただきます。本日は本当にありがとうございました。
4. 挨拶の締め方と手土産・香典返しについて
挨拶を終えた後も、参列者への配慮を忘れないようにしましょう。
4-1. 締めくくりの言葉と見送り
挨拶の締めくくりには、改めて感謝の言葉と、帰路への配慮の言葉を添えましょう。
「本日は誠にありがとうございました。どうぞお気をつけてお帰りください。」
「至らぬ点もあったかと存じますが、今後とも変わらぬご厚誼をお願いいたします。」
参列者がお帰りになる際は、一人ひとり丁寧にお見送りし、直接感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
4-2. 香典返し・引き出物の渡し方
四十九日法要では、香典返しや引き出物を用意するのが一般的です。
渡し方: 会食のお開きの際や、お見送りの際に直接手渡しするのが丁寧です。紙袋に入れて渡しやすいように準備しておきましょう。
品物: いただいた香典の半額～3分の1程度の金額を目安に、お菓子やタオル、お茶、洗剤など、後に残らない「消えもの」を選ぶのが一般的です。
掛け紙（のし紙）: 表書きは「志」または「粗供養」、水引は黒白または黄白の結び切りを選び、下には施主の姓か「〇〇家」と記載します。
まとめ：心温まる挨拶で、故人様を偲ぶ大切な一日を
四十九日法要は、故人様を偲び、ご縁のあった方々へ感謝を伝える大切な機会です。挨拶は、その感謝の気持ちを伝える重要な役割を担います。
今回ご紹介した例文はあくまで一例です。大切なのは、あなたの言葉で、故人様への愛情や感謝、そして参列者へのねぎらいの気持ちを伝えることです。
事前にしっかりと準備をし、心を込めて挨拶をすることで、故人様もきっと喜ばれ、参列された方々の心にも温かい記憶として残るでしょう。この情報が、あなたの四十九日法要の一助となれば幸いです。