旧正月(春節)とは?日本で馴染みが薄い理由と世界の祝い方


毎年、ニュースなどで「旧正月」や「春節(しゅんせつ)」という言葉を耳にすることがありますよね。アジアの国々では盛大に祝われるこのお祭りですが、日本ではあまり馴染みがないと感じる方も多いのではないでしょうか。

旧正月は、アジアの多くの地域で大切な意味を持つ祝日です。今回は、旧正月がどのようなものか、なぜ日本ではあまり馴染みがないのか、そして世界の国々ではどのように祝われているのかを分かりやすくご紹介します。


旧正月(春節)って何?その意味と日付

旧正月とは、旧暦(太陰太陽暦)における元旦のことです。日本では明治時代に太陽暦(現在のグレゴリオ暦)が採用されて以降、新暦の1月1日を「元日」として祝っていますが、アジアの多くの国や地域では、今でも旧暦のお正月を盛大に祝う習慣が残っています。

特に中国では、旧正月を「春節(チュンジェ)」と呼び、年間で最も重要な祝日として盛大にお祝いします。

旧正月の日付は毎年変わる?

旧正月は旧暦に基づいて計算されるため、**毎年日付が異なります。**通常、新暦の1月下旬から2月中旬の間で変動します。例えば、2024年の旧正月は2月10日、2025年は1月29日です。

これは、旧暦が月の満ち欠けを基準としているためで、新暦の1月1日とは違い、毎年同じ日にはならないのです。


なぜ日本では旧正月が馴染み薄いの?

日本では、旧正月を祝う習慣が薄いですが、その理由には歴史的な背景があります。

明治時代の改暦が大きな理由

日本では、明治5年(1872年)に太陽暦(グレゴリオ暦)への改暦が行われ、それまでの旧暦が廃止されました。これは、西洋諸国との外交や貿易をスムーズにするため、また近代化を進めるための一環でした。

この改暦によって、新暦の1月1日を新しい「元日」として祝うことが政府によって定められ、国民生活もそれに合わせて変化していきました。これにより、旧暦に基づいた行事の多くが新暦に移行し、旧正月を祝う習慣は徐々に薄れていったのです。

地域によっては旧暦行事が残る場所も

ただし、日本でも沖縄県や奄美群島の一部地域などでは、現在でも旧暦に従って行事を行う習慣が色濃く残っています。特に旧正月は、漁業や農業の目安として、また地域の伝統行事として大切にされている場所もあります。


世界の旧正月(春節)の祝い方をご紹介!

旧正月は、それぞれの国や地域で独自の文化や風習とともに盛大に祝われます。ここでは、代表的な国々の旧正月の祝い方を見ていきましょう。

1. 中国

「春節」と呼ばれる中国の旧正月は、1年で最も大切な祝日です。

  • 民族大移動「春運」: 故郷に帰省するため、膨大な数の人々が移動する「春運(しゅんうん)」が発生します。
  • 大掃除と飾り付け: 年末には家中の大掃除を行い、縁起の良い赤い飾り物(春聯など)を飾ります。
  • 年夜飯(ねんやはん): 大晦日の夜には、家族全員で豪華なごちそうを囲む「年夜飯」を楽しみます。餃子や魚料理が定番です。
  • お年玉「紅包(ホンバオ)」: 赤い封筒に入ったお年玉「紅包」を渡す習慣があります。
  • 爆竹と花火: 悪霊を払い、福を呼び込むために爆竹や花火を鳴らします。
  • 獅子舞・龍舞: 街中で獅子舞や龍舞が披露され、お祭りを盛り上げます。

2. 韓国

韓国の旧正月は「ソルラル(旧暦のお正月)」と呼ばれ、家族や親戚と過ごす大切な祝日です。

  • 帰省: 多くの人が実家に帰り、家族と再会します。
  • 伝統衣装「韓服(ハンボク)」: 伝統衣装である韓服を着て過ごす人も多いです。
  • 先祖供養「茶礼(チャレ)」: 先祖に感謝を捧げる儀式「茶礼」を行います。
  • トックク(お雑煮): 日本のお雑煮に似た「トックク」を食べて、年齢を一つ重ねたとされます。
  • ユンノリ: 家族で伝統的なボードゲーム「ユンノリ」をして遊びます。

3. ベトナム

ベトナムの旧正月は「テト(Tết)」と呼ばれ、国民にとって最大の祝日です。

  • 大掃除と飾り付け: 家を大掃除し、桃の花やキンカンの木を飾ります。
  • フォーの準備: テトに欠かせない伝統料理である「バインチュン(ちまきのようなもの)」や「フォー」などの準備に忙しくなります。
  • お年玉: 子供たちにお年玉を渡します。
  • 先祖への感謝: 仏壇に供え物をし、先祖への感謝と敬意を表します。

4. シンガポール・マレーシアなど東南アジア

多民族国家であるこれらの国々でも、旧正月は中華系の人々を中心に盛大に祝われます。

  • 赤い飾り付け: 街中が赤色の飾り付けで彩られます。
  • 縁起の良い食べ物: 「ユイシェン(魚生)」と呼ばれる刺身のサラダをみんなで高く持ち上げて混ぜ、繁栄を願う儀式などが行われます。
  • オープニングハウス: 親戚や友人の家を訪問し、お祝いの言葉を交わします。









まとめ:旧正月は多様な文化が息づく祝いの季節

旧正月は、日本で馴染みが薄いものの、アジアの多くの国や地域では、家族の絆を深め、新年を祝い、未来への希望を抱く大切な祝日です。それぞれの国や文化によって、その祝い方や風習は多様で、非常に興味深いものがあります。

もし旧正月の時期にアジアの国々を訪れる機会があれば、その活気あふれるお祝いの雰囲気をぜひ肌で感じてみてください。きっと、新たな発見と感動があるはずです。

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